アニメプロット分解「この素晴らしい世界に祝福を!」①

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 http://konosuba.com/1st/special/?mode=wall



 
 お待たせしました、「このすば」です。


 今回は、ラノベ原作の人気アニメ「この素晴らしい世界に祝福を!」をプロット分解していきましょう。



 もっと早くやれって話ですよね。けもフレ優先してる場合じゃねえよ。









 megumin
  http://konosuba.com/character/
 





 僕は、めぐみん派です。



 さんざん『水色髪が好き』とか書いておいて申し訳ないです。



 いや、仕方ないじゃん! そういうときもあるよ!








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 さて。


 結論から言いますと、意外と厄介な案件でした。


 



 <人物が>
  ↓
 <色々な障害を乗り越えて>
  ↓ 
 <心境を変化させた>





 しつこく書きますが、↑これが物語の基本構造です。 


 んでここポイントなんですが。いちばん上の段。

 『主人公が』ではなく『人物が』になっております。





 心境を変化させるのは、主人公以外のキャラでも成立します。


 今回は主人公『カズマ』ではなく、ヒロインの『女神アクア』様に焦点を当てていきたいと思います。


 理由は色々あるんですが、ひとまず分解してから言いますね。



 
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 参りましょう。

 第一期の第一話「この自称女神と異世界転生を!」 を分解していきます。





 未視聴の方はネタバレになりますのでご注意ください。







 <人物が>
 ・女神アクア様は
  カズマに魔王退治をさせたがっています。
  自分も参戦することになって、心底嫌がっています。
  女神なので、庶民の生活なんて何も知りません。

  ↓

 <色々な障害を乗り越えて>
 ・カズマから「異世界に持っていけるモノ」に選ばれる。
 ・本当に異世界に到着する。俯いてうめいてる。
 ・女神なので下々の生活なんてわからない。地理も知らない。
 ・ガラの悪いギルドに行く「うぇぇ、おっかねー……」
 ・冒険者の登録手数料が必要(エリス教徒にお金を恵んでもらう)
 ・水晶で職業適性を確認すると、
  知力が平均より低いのと幸運が最低レベル。
 ・冒険者生活を始めるが、実態は過酷な労働者生活。

  ↓ 

 <心境を変化させた>
 ・一話ラストシーン。
  労働者生活が板についてきたアクア様は、
  街の噴水の前で、風呂上がりの牛乳を飲んでいます。(※象徴シーン)

  過酷な労働を乗り越えていく中で、
  生活環境を整え(馬小屋に新しいシーツとか)、
  仕事仲間と人間関係を築き、
  妙にたくましく成長しています。

  そして自ら、討伐クエストに行こうと提案します。







 アクア様はけっこう気まぐれにコロコロ主張が変わるので
 主題が分かりにくいんですが

 ラストシーンの直前に

 カズマ「労働者やりに来たんじゃないぞー」
 アクア「そうだったわ。カズマに魔王を倒してもらわないと」


 という、

 前提の再確認みたいなシーンが差し込まれているので


 『カズマ任せにしようとしていた』→『自分も頑張ろうと前向きになった』


 くらいの変化と受け取るのが自然でしょうね。



 
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 ということで、アクア様はばっちり心境を変化させています。成長しています。



 んで、主人公のカズマなんですが。


 こちらも心境の変化は起こっています。

 
 ただし、わかりにくいように、わざとボカされています。






 象徴シーンはアクア様と同じ、ラストの噴水前の夕暮れシーンです。


 討伐クエストを提案するアクア様に対して、

 「俺らレベル1だぞ。装備も揃ってないのに」
 「ものすごく不安なんだが」
 「一応お前、女神だもんな」
 
 と、ケチをつける感じのことを言います。





 セリフの内容自体は、物語序盤のカズマと変わっていませんが、

 表情と口調が、はっきり穏やかになっています。





 思い出してください。

 セリフは真実を伝えられず、行動のみが真実として読者の目に写ります。



 カズマは、今までと似たようなセリフを言いながら、

 きちんとアクア様のことを少しは認める(承認する)という心境の変化を起こしています。







 ただ、これね。

 エンタメ作品の辛いところなんですが。


 ここで心境の変化をわかりやすく心の声とかで説明したりすると、

 説教くさくなっちゃうんですよ。







 あのカズマがですよ。


 「 (こいつも頑張ってるんだな。少しは認めてやるか)」


 って独白するシーンで終わる『このすば』なんて見たくないですよ。 







 作品のテイストを考慮した上で、あえて心境の変化を

 ありありと描写しすぎないようにしているんじゃないでしょうかね。



 というわけで、今回はカズマを主体にしない分解になった次第です。







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 えー、もっと詳しく触れたい部分がいっぱいあるので、


 続きます。



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